練り込み」は「たたら」とも呼ばれる技法のひとつです。描いたように見えるこの模様は、異なる色の土を重ねて模様となる層を作り、それを板状にカットして型に嵌め込みながら成形することで生まれます。この技法は「練上げ」とも呼ばれます。
模様の仕上がりを想定しながら土を重ねる工程には、非常に多くの手間と時間がかかります。特に、杉本さんのようにくっきりとした直線的なデザインを生み出すのは高度な技術を要し、一度に作れるうつわの数も限られるため、市場に出回る数はごくわずかです。
サーファーでもある作者とは私自身も通じるものがあり、毎年、彼の素敵な民藝作品の展示会用カードを制作させていただいています。
日本の民藝、日本ならではの技法、そして日本人だからこそ生み出せるこの素晴らしい作品を、世界中の人々に知ってもらいたいと願っています。
